みなさんこんにちは!
前回は、NFTの活用事例についてご紹介しましたね。
今回も前回に引き続き、NFTの活用事例をご紹介したいと思います。
メタバース同様、NFTの活用にもまだまだ様々な事例があります。
前回の記事を読まれていない方は、先に以下より記事を読んでいただいてからこちらの記事を読んでいただくことをオススメします。
Web3業界で働きたい人へ① 〜BizDevってどんな仕事なの?〜
それではさっそく見て行きたいと思います。
④NFT DAO
DAOとはDecentralized Autonomous Organizationの略称で、日本語では「分散型自律組織」と呼ばれます。
NFT DAOは、このDAOを利用して、NFT市場やNFTコレクションの所有権、販売、管理を行うプラットフォームです。NFT DAOは、スマートコントラクトとブロックチェーン技術を使用して、プラットフォームの運営や意思決定を自律的に行います。
NFT DAOのメンバーは、自らが投票して、プラットフォームの意思決定に参加できます。これにより、NFT DAOは分散型で透明性が高く、参加者の意見を反映することができます。
それでは、NFT DAOの事例を見ていきましょう。
Bored Aped Yacht Club (BAYC)
2021年に設立されたDAOであり、独特な猿の絵が描かれたジェネラティブNFTを保有することで、オンラインでの限定コミュニティでのアクティビティやイベントなどへの参加が可能である。
同NFTはジャスティン・ビーバーやパリス・ヒルトンなど世界的なスターのほか、日本においてもEXILEの関口メンディー氏やavexの社長である松浦勝人氏も保有しているため、NFT保有者はコミュニティ内で上記のような著名人とコミュニケーションを取ったりアクティビティに参加することができる。
そのほかにも保有者限定の特別NFTのエアドロップなどの特典もある。
BAYCのNFTは当初は0.08ETHにて購入が可能だったが、多くの著名人も保有していることから価格が高騰しており、現在のフロア価格は87ETH(約1,900万円:2023年3月8日現在)になっている。
SUPER SAPIENSS
2022年1月に開始された日本初のエンタメDAOプロジェクトであり、日本の映画界を代表する堤幸彦氏、本広克行氏、佐藤祐一氏の3人の映画監督と、映画プロデューサーである森谷雄氏が指揮を執り、映画の原作づくりから映像化までに関する全プロセスを一気通貫で行う。
同プロジェクトでは、現在制作中である映画「SUPER SAPIENSS」の世界観をベースにしたジェネレーティブNFTが発行・販売されているほか、株式会社FiNANCiEと提携し、トークンの発行も行われている。
同トークンの保有者は今後の作品における物語の方向性において投票が可能で、トークン保有者も作品制作に携わることが可能である。
さらに、トークンは保有者やトークンの保有を希望するファン等が増加することで価値が上昇する可能性も秘めており、トークン価値が向上した際には保有者への還元等も計画されている。
NinjaDAO
2021年9月にイケハヤ氏がイラストレーターのRii2氏と立ち上げたDAOであり、2022年12月時点では32体のCryptoNinjaが発行されている。
これらのNFTは32人のオーナーによって保有されており、オーナーの中にはEXILEの関口メンディー氏などもいる。
同NFTの最大の特徴はライセンスフリーであることであり、ライセンス料を運営側に払う必要がないため、誰でも二次創作が可能である。
例えば、ガイドラインに沿っていれば運営側に許可を取らずにお気に入りのCryptoNinjaのデザインをアバターにしたり、Tシャツやバッグのデザインにすることもできる。
また、そこで利益が発生してもロイヤリティを運営側に払う必要がないため、多くのCryptoNinjaファンアートが出回っている。
NinjaDAOは国内最大のNFT DAOであり、参加人数は3万人以上である。2022年5月にはジェネラティブNFTも制作され、合計22,222体のNFTが発行された。
⑤NFTゲーム
NFTゲームとは、ブロックチェーン上で動作するゲームで、プレイヤーはゲーム内のアイテムやキャラクターなどのデジタルアセットを所有し、トークン化されたアセットを他のプレイヤーと交換したり、オークションで売買したりすることができます。
これらのアセットは、NFTとしてブロックチェーン上に登録され、プレイヤーが所有することが可能です。
NFTゲームではトークン化されたデジタルアセットを通じて、プレイヤーは独自の経済圏を作り出すことができます。自分が所有するアセットを他のプレイヤーに販売したり、レアなアセットを見つけることで、収益を上げることができます。
またNFTゲームは、プレイヤーが高い自己決定権を持っているほか、ゲーム内のアセットはプレイヤーの所有物であり自由に売買できます。これにより、プレイヤーは自分自身のプレイスタイルを選び、独自のゲーム体験を作り出すことが可能になります。
それでは、NFTゲームの事例を見ていきましょう。
The Sandbox
The Sandboxはイーサリアムのブロックチェーンを活用したNFTゲームであり、ユーザーはメタバース空間にある「SANDBOX」というLAND(土地)を購入、あるいはレンタルすることで、独自のゲームやキャラクター、アイテム等を作成することができる。
またユーザーは、保有しているLANDやキャラクター、アイテムなどをイーサリアムのブロックチェーン上でトークンとして売買することも可能である。
同ゲームの総ダウンロード数は4,000万件以上であり、月間のアクティブユーザー数は多い時は100万人を超える。
また同ゲームは2022年春にCoincheckと共同でLAND上に2035年の近未来都市をコンセプトとした仮想都市「Oasis TOKYO」を制作した。同空間内では他のユーザーやアーティストなどの著名人とコミュニケーションを取ったり、様々な施設を利用することができる。
Axie Infinity
Axie InfinityはAxie(アクシー)と呼ばれるモンスターをNFTとして集めて戦わせるゲームである。
プレイヤーはAxieを育てるあるいは繁殖させることで強化し、戦わせるなどしてAxie Infinityのエコシステムに貢献することができる。
エコシステムに貢献したプレイヤーには報酬としてゲーム内で暗号通貨が配当され、現金等に換金することが可能である。
本ゲームは東南アジアで開発されたが、実際にフィリピンなどにおいては当ゲームをプレイすることで生計を立てるユーザーも出てきており、Axie Infinityで獲得した報酬のみで家を2軒購入したユーザーもいる。
また、本ゲームにはスカラーシップ制度というものが設けられており、ゲーム上で自身のAxieを他のプレイヤーに貸し出すことで、貸し出したプレイヤーがゲームで獲得した報酬を折半することが可能である。
STEPN
STEPNはSolanaのブロックチェーン上に開発されたM2E(Move to Earn:ユーザーが移動することでトークンを稼ぐことが可能なプラットフォームの総称)である。
はじめにNFTマーケットプレイスでスニーカーNFTを購入し、その後ランニングやウォーキングを行うと移動した距離に応じて報酬として暗号通貨が支払われる仕組みであり、支払われた暗号通貨は日本円に換金することも可能である。
またスニーカーNFTにはレアなものもあり、レアであればあるほどNFTマーケットプレイスにおいて高値で取引されている。
将来的には、ユーザーは自身が所有するスニーカーを他人に貸し出す機能が実装される予定である。スニーカーを借りたユーザーからは賃料が払われるため、自分がプレイしていなくてもトークンが獲得できたり、余ったスニーカーを有効活用することが可能になる。
⑥NFTトレカ
最後にご紹介するのはトレーディングカードのNFTです。
昔ポケモンカードや遊戯王カードのようなトレーディングカードが一世を風靡しましたが、トレーディングカードの文化はNFTにも受け継がれています。
NFTトレカはスポーツやエンターテインメント業界で人気があり、コレクション目的で多く利用されています。
また、NFTトレカはNFTマーケットプレイスにて二次販売も可能なことから、人気や希少性の高いカードは高額で取引されています。
それでは、NFTトレカの事例を見ていきましょう。
NBA Top Shot
2021年に販売されたアメリカのバスケットボールリーグ「NBA」の選手のドリブルやシュートなどの名シーンの動画をNFT化したデジタルトレーディングカードである。
NBA Top Shotの特徴は、単体で購入することも可能だが、遊戯王カードやポケモンカードのように複数のトレカNFTをパッケージで購入することが可能な点である。
同NFTにはCommon(一般的な)、Rare(希少な)、Legendary(伝説的な)の3つの種類に分けられており、RareやLegendaryのトレカは価格が高く、レブロン・ジェームス選手のトレカ等一部のトレカは100万ドル(約1億3,600万円:2023年3月9日現在)にてマーケットで取引されているものもある。
同NFTは基本的には購入して手に入れる必要があるが、不定期で開催されるイベントに参加し、指定されたミッションをクリアしても手に入れることが可能である。
ももいろクローバーZ
人気アイドルグループ、ももいろクローバーZの10周年を記念して、2021年10月に公式ライブパンフレットのNFTがリリースされた。
同NFTは歴代のライブパンフレットの巻頭スペシャルフォトが再デザインされており、全種類コンプリートすることで、ももいろクローバーZの10年間の歴史を辿ることができる。
NFTは毎月26日に新デザインがリリースされており、各NFTは30セット限定で販売されている。
また、2022年6月には第二弾としてSNSのアイコンにも利用が可能なNFTトレカがリリースされ、デザインの種類は1,000種類以上に上る。
価格は0.08ETHから購入可能であり、NFT保有者に対しては不定期でサプライズプレゼントや特別イベントへの参加権利等の特典も配当される予定である。
Sorare
Sorareは実在するサッカー選手の実際の試合での戦績がゲーム内に反映されるデジタルトレーディングカードゲームであり、2019年3月にリリースされた。
同ゲームでは世界中のサッカー選手を集め、プレイヤーは自由にチーム編成を行うことで、他のユーザーとスコア数を競い合う。
例えば、とあるサッカー選手が試合でゴールを決めるなど好成績を収めた場合、ゲームにおいてその選手のNFTトレカをチームに組み入れていれば、その成績がスコアとして反映される仕組みである。
現在世界140以上のクラブチームとライセンス提携を行なっており、2020年8月にはJリーグのライセンス提携も実施した。
さらに、同ゲームは2023年2月時点でNBAやMLBとも提携済みである。
いかがでしたか?
前回から2回に渡りNFTの活用事例をご紹介してきました。
今回は紹介できませんでしたが、NFTを活用した事例は他にもたくさんありますし、今後も新たな事例が出てくることは想像に難くありません。
メタバースも含め、Web3はまだまだ始まったばかりです。
Web3は今後さらに私たちの生活を豊かに便利にしていくことでしょう。
さて次回は、Web3においてこれまでに開催されたユニークなイベントについてご紹介したいと思います。
次回もお楽しみに!
D株式会社はWeb3 BizDev&BPO特化のギルド型組織です。
Web3のノンテック領域に注目し、国内外問わずWeb3プロジェクトの事業化支援の上流から現場までをワンストップに支援しております。
また、月額10万円からNFTのコミュニティの立ち上げ・運営代行サービスを提供しております。
Web3事業の案件及び人材も募集中ですので、ご興味のある方は以下リンクよりお気軽にお問い合わせください。
この記事のライター
松永 恭輝(TERU)
2022年10月にD株式会社に参加し、ライターのほか営業やマーケティング、翻訳業務などを担当。
好きなもの:お酒&お酒の席、サウナ、チキン南蛮、ゴルフ(コース未経験、絶賛打ちっ放し中)
座右の銘:Better than yesterday
過去の記事はこちら!